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取材協力/大阪府「エイジフリー・ライフ星が丘」2011.2.16
大阪府枚方市にある介護付有料老人ホーム「エイジフリー・ライフ星が丘」では、園芸療法士がご入居者にさまざまな園芸療法を行っています。
こちらのご入居者は、9人ずつのユニットに分かれ、各ユニットにリビングがあり、担当の介護スタッフのケアを受けながら、皆様で家族のように暮らしています。
また、数あるアクティビティの中に園芸クラブがあり、ご入居者の皆様がスタッフといっしょに野菜や花を育てています。
このホームでは主に、生活リハビリとして身体機能の維持に役立つアクティビティ活動のひとつに園芸療法が活用されていますが、中にはケアマネジャーと相談し、ケアプランに沿って個別に園芸療法に取り組むご入居者もいらっしゃいます。「レクリエーション」と「リハビリ」のように、その方に合った関わり方で園芸療法が取り入れられているようです。
造園業を経て、兵庫県立淡路景観園芸学校にて兵庫県認定園芸療法士の資格を取得。エイジフリー・ライフ星が丘にて、アクティビティ担当、緑化管理を兼務しながら、園芸療法士として勤務。
兵庫県の園芸療法普及事業の講師としても、活動中。
花の少ない冬の園芸療法として、去年も同じ時期に行ったレクリエーションです。
簡単な造花を手づくりして、植木鉢のオアシスに挿した木の枝に、テープで付けます。このレクは、室内で行うことができ、自然に触れて季節を想像したり、仕上がりのバランスをイメージして、手先や身体を動かして手づくりできることが、ご入居者のこころとからだに良い効果をもたらします。
集まったのは7人のメンバー。今日は、みんなで一つの作品を作ります。
花用の薄紙(ピンク色)を5枚ほど重ね約8cm角に断裁し、細長く屏風折りして束ねたものを、参加人数一人あたり3〜5個程度、スタッフが予め用意しておきます(花の形に開いた見本もいくつか用意しますが、万一花が足りなくなった場合のために多めに用意します)。
薄い紙でできた花を開かせるのは、とても細かな作業で、良いリハビリになります。
重なった薄紙を一枚一枚開き、花の形に整えます。各自のペースで、疲れない程度に好きなだけ作業してもらいます。いくつも花を作っていると楽しくなってきて、疲れるのも忘れそう。
2月は梅、3月は桃、4月になったら桜と、季節によっていろんな見方ができます。そんなことを思い出しながら、作った花を枝に咲かせていきます。今回作ったお花は、しばらくロビーのひな壇の横に飾られることになりそうです。
離れたところの参加者が、声をかけます。枝の高い所につけようと上の方に手を伸ばしたり、つい立ってしまう参加者も。花がしっかり枝に付くか、皆様ハラハラしつつ見守っています。順番を待つ間も見てしまいますね。
取材の時期はちょうど梅の季節。参加者のお一人が、「この花を下の方に付けたい。下の方から咲き上がっていくから」。なるほど、さすがです。

「参加者にはまんべんなく声をかけ、退屈されないように心がけています。スタッフが援助することで、できることをできる所までお願いします。今回も、細かな指の動きが難しい方には「枝を挿してください」とお願いしました。また、花をどこに付けるか決められない、という方もサポートします。
車イスで眠っている方にも「少しだけやってみませんか」と声をかけます。花を付ける順番を離れた席で待つ方には、「そちらから見て、お花の少ないところを教えていただけますか」と頼んだりして、少しでも関心を持っていただけるように気をつけています。」(大内田さん)

園芸療法といっても、取り入れ方は施設によって異なり、幅広い考え方ができます。
ただ、園芸と園芸療法には大きな違いがあります。園芸は「植物が主役」ですが、園芸療法は「ひとが主役」であり、美しい花を咲かせることが目的ではなく、育てるプロセス、植物と人の関わりそのものが大切で、植物を介したその方の健康状態の改善、成長が目的です。もし花が咲かずに枯らせてしまっても、「また育ててみましょうね」と声をかけられ、例えばペットを失うよりダメージが少ないのも園芸療法のメリットです。
園芸クラブは月に2回行っています。植物は主に、リビングから見える広いテラスや屋上で育てられています。
1年間の植物の栽培プランがあり、雨の日や寒い季節は、スタッフがプランターをリビングに運んできて、室内で作業することも。下準備などは、どこまでスタッフがするか、ちょうど良い作業量を考えて用意します。
収穫した野菜はみんなで料理して食事します。包丁を使う危険なところはスタッフが行い、下ごしらえの済んだものをキッチンで味付け。自分たちで作った野菜はおいしいものです。ふるさとの「ご当地料理」の味も思い出され、話も弾みます。
楽しそうな調理の様子を見て、園芸に参加しはじめる方もいたそうです。
食べることが好きな方、生け花をしていた方、草引きをするのが好きな方、花を見るのが好きな方…植物と関わるきっかけは、本当に人それぞれのようです。
※あくまで一例。この他にも様々な栽培を実施しています。
「園芸療法とは、香りをかいだり葉が風にそよぐ音を聞いたりといった、五感を通した『感覚体験』、植物を植えたり水や肥料をやったりという、身体を使った『動作体験』をすることです。
つまり、日々の暮らしのなかで、身近な植物を眺めたり、育てたり、収穫したり関わり方は人それぞれ。植物と関わることで、心も
身体も豊かになることです。植物の話題を挨拶がわりに話したり、生長を観察するために歩行距離が自然と増えたり、植物が多くのきっかけを与えてくれ、精神的・心理的な面にも知らず知らずよい働きかけをしてくれます。」
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