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2024.08.30
「基礎生活の中における、重度の方や認知症の方に対するレクリエーション」をテーマに、社会福祉法人一期一会福祉会の渡邊先生にお話を伺いました。
日々の生活の中で使えるレクリエーション・支援のヒントが盛り込まれていますので、皆さまの現場でもぜひお役立てください。
「レクリエーション」と言うと、みんなで集まって実施する「集団レク」を思い浮かべがちです。しかしながら近年では、食事・入浴・排泄・睡眠など、生きていくうえで基礎となる「基礎生活時間」の中で行われるレクリエーション、つまり「基礎生活レク」の重要性も求められています。
具体的な例として「壁に飾ってある絵を移動中に見る」「入浴の時間に音楽を流す」などが挙げられますが、他にはどんなレクリエーションがあるのでしょうか。
私は新たに探して提供するのではなく、まずは今一度、皆さんの施設の環境を見渡して欲しいと思います。
皆さんの施設や事業所では、利用者の方たちが「今は朝?」「今日は何日?何曜日?」と質問してきたり、日めくりのカレンダーがめくられていない、ということはありませんか?
もしそのような状況があるとしたら、認知症の方たちをはじめとして「今」を混乱させている環境が存在するということです。
また声かけも、利用者の方たちを余計にネガティブな気持ちにさせ、想いに寄り添えていないことはないでしょうか。
高齢者ケア(特に認知症ケア)を行うにあたり、心理・社会的アプローチの中で、リアリティ・オリエンテーション(以下、RO※①)があります。
※①リアリティ・オリエンテーション(RO):今がいつで、ここがどこで、季節がいつかが判らないなどの見当識障害のある方に対して行われ、現実認識を深めることを目的としている療法。
次の画像をご覧ください。
このような掲示物を適材適所に散りばめるなど、日々の環境の中にROをさりげなく添えることで、認知症の方たちが日々感じていても表出できない「不安」が「安心」に変わっていきます。
このときに大切なのは回答を出しておくのではなく、数々のヒントから導き出していただくことです。
立ち止まって不安を持ちながら考えている方たちに、一緒に考えながら安心を導き出していく。私は、このROがまさしく「基礎生活レク」の一つだと確信しています。
ただし、「今日は何日ですか?」「この歌の季節は?」といったクイズ形式のような声かけは、「どうしてそんなに回りくどい聞き方をするの?」と感じる方もおり、自尊心を傷つける恐れがあるので注意してください。
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