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検 索とじる
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2025.12.22
「楽しい」と感じる瞬間は人それぞれです。また、その時の状況や心境によっても大きく変化します。
「楽しい」から
「もっと続けたい」
「さらに深めたい」へと変化していくとき、
そこにはプラスの感情が積み重なっています。
その楽しさのプロセスにおいては、高齢者の可能性を信じ、新しい可能性に積極的に挑戦することも必要です。
82歳のBさんは、町工場を60年経営してきた職人。内臓疾患で要介護1の認定を受けましたが、デイサービスには3年間通いませんでした。
理由は「デイサービスはゲームをする場所」という強いイメージ。まだまだ誰かの役に立ちたいという想いを持つBさんにとって、ゲームは興味の対象ではなかったのです。
しかし、とあるデイサービスの面談でBさんがふと口にしたのは、
「それそれ、あそこに置いてあるようなネジを作っていたんだ」という一言。
指をさした先にあったのは、作業療法で使うリハビリ器具でした。
そこでデイサービス職員は「では、リハビリ器具を作りませんか?」と提案。
Bさんの手で図面を引き、材料を買いに外出し、加工して組み立てる――そのすべてが認知トレーニング、外出支援、機能訓練となっていきました。
そのうち周囲の利用者も自然に作業を手伝うようになり、みんなで完成させたリハビリ器具を使った機能訓練は、大人気の訓練となったのです。
Bさんの事例は、その方にとっての人生を把握することで楽しさのポイントを理解でき、本当のニーズを叶える活動に変わることができたという事例のひとつです。
また、当初は「Bさんのための活動」でしたが、やがて「みんなの活動」に広がっていきました。まさに、個別レクリエーションが集団レクリエーションに変わった瞬間です。
高齢者を深く理解し、「楽しさのプロセス」を大切にすること――
それこそが、“こころを動かし、からだを動かす”レクリエーションにつながります。
高齢者の参加意欲を高める鍵は、特別な技術だけではありません。
ちょっとした工夫と意識の積み重ねが大きな変化を生み出します。
レクリエーションを深く真摯に考えることが、ケアの質を高まることにつながると言えます。
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